22-23シーズン開幕を告げるUEFAスーパーカップ
その最初のゴールが生まれたのは38分のことだった。
RマドリーのCKに対して、フランクフルトは11人全員がペナルティエリア内に戻っていた。
一方で、Rマドリーはエリア内に5人しかいなかったがゴールを奪ってみせた。
なぜ、このようなゴールが生まれてしまうのか?
そのポイントは「脳疲労」にあると思われる。
この時のフランクフルトの選手達を見ると、全員がボールウォッチャーになっている。
サッカーを少しでも知っている方はお分かりだと思うが、ディフェンスのマークの基本はボールと相手を同一視野に入れることだ。それを世界最高峰の選手達が実践できない訳はない。
ここまでの試合の流れを振り返ってみると、一見フランクフルトのペースで進んでいるように見えた。
Rマドリーの攻撃を、連動したプレスでサイドに追い込み、狙い通りのボール奪取から、鎌田へボールを預けてのショートカウンターが機能して、シュートチャンスも作れていた。ゴールの直前35分にもこのパターンでペナルティエリア付近まで攻め込んでいる。
ポイントとなったのはこのシーンだ。
ここまではRマドリーのゴールキックは全員がポジションを取ってからのリスタートだった。そのため、フランクフルトも守備陣形を整えて対応していた。しかし、この時GKクルトワはボールを拾いに行きながら状況を見て、素早くリスタートをした。結果的にヴィニシウスが決定的なチャンスを迎えた。ゴールにはならなかったが「流れに関係なくいつでもチャンスを作れる」という強烈なストレスを与えたのは間違いない。
なぜなら、ゴールが生まれたのはこのシュートシーンで得たコーナーキックからだからだ。
つまり、客観的には試合の流れを掴んでいるように見えたフランクフルトだったが、実はRマドリーの掌の上で踊らされて、ストレスを与えられ続けていた。それによって溜め込まれた脳疲労により、小学生レベルのミスを引き起こされたと言える。
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